経営者が多くを学んだ日本シリーズの監督采配
広島から北海道まで、全6戦を観戦することになった日本シリーズ。わがカープは惜しくも日本一を逃しましたが、勝負としては実におもしろいシリーズでした。
野球に興味のない方は、しばしご辛抱のうえお読みいただきたいのですが、実際に見ていて思ったのはやはり、短期決戦における戦い方の差です。
日本ハムの栗山監督は、流れを引き込むためにはシーズン中には全くあり得ないような用兵をも躊躇なく多用しました。大谷投手が初戦で打たれてしまって、かなりショックはあったはずですが、その後札幌では大谷の先発ローテーションというカードを切り捨てて、DH専門で使うという実に大胆な采配。
そして、第3戦でサヨナラヒットを打ったのはその大谷選手です。石原捕手も「あの高さのボールがヒットにされたら仕方ない」とコメントしていたくらいで、ほかの選手では絶対ヒットにできないボールでした。
一方、大谷を警戒するあまり、後続の中田、レアード選手にホームランを浴びる、という最もやってはいけないことをやってしまったカープ投手陣。
さらに緒方監督はシーズン中の勝ちパターンに固執し、ハム打線にタイミングのあっていたジャクソンを下げられなかったことが最後も響きました。投手起用に関しては先発が怪しいと見るや、1回で降板させ、シーズン中では絶対やらないメンドーサ投手の投入を敢行し、カープの攻撃の目を摘んでしまったことが結局、6戦でハムを勝利に導くという凄さ。
経営者の方は、大いに参考にすべきでしょう。ここ一番で大勝負をするときは過去の成績や成功体験に拘泥してはならぬ、という大変な教訓を得たシリーズだったのではないでしょうか。
カープおやじであるワタクシは正直悔しかったわけですが、このあたりの用兵を見ると栗山監督のマネージメントコントロールに脱帽するしかありません。まあ、緒方監督には来年頑張ってもらいましょう。
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