「美食」で自立するスペインの地方都市に学べ

小さな地域であっても「稼ぐ仕組み」は作れる

各国からの観光客で賑わいを見せるサン・セバスチャンの小道(写真:筆者撮影)

日本では人口が減ると地域は終わり、といったことが語られています。

しかし、ヨーロッパの地方都市の取り組みをみると、小規模な都市でも生き残る策があることがわかります。「人口が減ったら地域は終わり」だなんて話に惑わされず、小さいながらの活路を見いだすことをあきらめてはいけません。

これまで日本は画一的な都市像を作り、大中小と規模で分け、その内実は無視した工業製品のような同質的な都市の大量生産を行ってきました。人口過剰問題を抱えていたから仕方なかったとはいえ、国の予算をもとに全国一律の都市開発を実施してきました。

皆で幕の内弁当のような都市を求めて開発するものの、地方ほど具が少ない中途半端な幕の内弁当になるようなものですから、衰退はある意味の必然とも言えます。

それでは、過去のやり方を見直し、日本の地方は「人口」ではなく、何と向きあえば良いのでしょうか。先週訪問していたスペイン・バスク地方の小都市の話と共に考えたいと思います。

成長する美食のまち、サン・セバスチャン

この連載の一覧はこちら

ヨーロッパにも数多くの地方都市が存在していますが、スペイン・バスク自治州は近年、飛躍的に成長を遂げ注目されています。その中でも、サン・セバスチャンは18万都市という規模にもかかわらず、欧州はもとより、世界中から人を集め、産業形成に成功しています。

そのカギは世界遺産でも工業でもありません。「美食」です。

次ページ同市の「稼ぐ仕組み」とは?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • フランスから日本を語る
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • この新車、買うならどのグレード?
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT