日本では人口が減ると地域は終わり、といったことが語られています。
しかし、ヨーロッパの地方都市の取り組みをみると、小規模な都市でも生き残る策があることがわかります。「人口が減ったら地域は終わり」だなんて話に惑わされず、小さいながらの活路を見いだすことをあきらめてはいけません。
これまで日本は画一的な都市像を作り、大中小と規模で分け、その内実は無視した工業製品のような同質的な都市の大量生産を行ってきました。人口過剰問題を抱えていたから仕方なかったとはいえ、国の予算をもとに全国一律の都市開発を実施してきました。
皆で幕の内弁当のような都市を求めて開発するものの、地方ほど具が少ない中途半端な幕の内弁当になるようなものですから、衰退はある意味の必然とも言えます。
それでは、過去のやり方を見直し、日本の地方は「人口」ではなく、何と向きあえば良いのでしょうか。先週訪問していたスペイン・バスク地方の小都市の話と共に考えたいと思います。
成長する美食のまち、サン・セバスチャン
ヨーロッパにも数多くの地方都市が存在していますが、スペイン・バスク自治州は近年、飛躍的に成長を遂げ注目されています。その中でも、サン・セバスチャンは18万都市という規模にもかかわらず、欧州はもとより、世界中から人を集め、産業形成に成功しています。
そのカギは世界遺産でも工業でもありません。「美食」です。
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