サン・セバスチャンから30分ほど車を走らせると隣にある、オンダリビアは、さらに小さな1.6万人の小都市。対岸に見えるのはフランスという、まさに国境の港町です。しかし、このまちも小さいからといって暗いイメージはまったくありません。
また、小さな港町だからといって、日本の港町の観光拠点のように刺し身や丼もののような、素材そのままを出すのではありません。しっかりとした調理技術を持った、訪問するに値するすばらしいレストラン、バルなどが存在しています。特にフィッシュスープなどは手間をかけて魚介の旨味を引き出した一品。これだけでも目当てに行く人がいるのがうなずけます。
保養地としてのポジションを獲得
都市経営的には、観光というよりは、ここは保養地としてのポジションを獲得しています。夏には保養地としてスペイン、フランス両国から多くの人が訪れるわけです。そのため、立派なセカンドハウスが多数存在しており、これらは自治体に固定資産税収入をもたらし、長期滞在中は、先のようなおいしいレストラン、センスある市街地の小売店などで大きな消費需要が生まれ、結果として地元産業発展と共に、売上税収入をもたらします。
小さくても「誰」をどのように集め、どのようにおカネを落としてもらうかを考える。そうすれば、できることはあるわけです。いや、むしろ小さいからこそ、このような特化型の都市ができるとも言えます。
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