奈良メガソーラー造成現場で「土砂2度流出」… それでも止まらない開発の行方

奈良県平群(へぐり)町のメガソーラー造成現場で5月下旬に土砂崩れが発生し、下流域の住民が盛土規制法に基づく対応を奈良県に求めている。
このメガソーラーをめぐっては住民が裁判を起こし、事業者を相手取って工事差し止めを、県に対し林地開発許可の取り消しを求めて係争中。奈良地裁は今年3月、住民の訴えを退けたが、住民側が控訴し、近く大阪高裁で控訴審が始まる。
造成工事現場からの大量の土砂流出は昨秋に次ぎ2度目で、行政による規制のあり方が改めて問われる事態になっている。
造成地からの土砂流出の原因は、盛土の崩落だった
このメガソーラーは、事業者が協栄ソーラーステーション合同会社(東京)で、山林約48haを整地して約5万3000枚の太陽光パネルにより、出力約2万kWの電力を生み出す予定。

5月25日早朝、その建設現場から大量の土砂が流出し、フラワーロードと呼ばれる町道や田畑にあふれた。前夜からの雨の影響を心配した住民らが現場に駆け付けたときには、町道の土砂の清掃作業中だったが、土砂が高さ1.1mのガードレールを超えた跡があった。
下流域の椿台(477世帯)は造成地から1km弱の距離にあり、造成地から流れ下る川や水路に囲まれている。昼ころに住民が撮影した写真には、その水路を流れ下る濁流が写っている。
24日夜からの雨は、24日午後10時〜11時の時間降水量が20mm。梅雨時が近づくなかでの強い雨だが、近年全国各地でみられる「これまで経験したことがないような雨」ではない。なぜ土砂が流出したのだろうか。
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