かろうじて政党としての体裁を保ったが… 参政党"大躍進"の裏で「老舗革新政党」共産党&社民党が直面する老衰

7月20日に投開票が行われた参議院選挙では、自公の大敗以上に参政党の大躍進が話題をさらった。そうした喧騒の陰で選挙ウオッチャーが秘かに注目していたのが、共産党と社民党の苦闘ぶりだ。
両党は、自民党や立憲民主党といった主要政党よりはるかに長い歴史を持ち、政界の革新勢力の中核として長期間活動してきた“老舗政党”である。しかし、「政権選択」や「政界再編」が主要なテーマとされた今回の参院選では、政党として生き残れるかどうかの瀬戸際まで追い詰められ、「かろうじて命脈を保った」(政治ジャーナリスト)のが実情だ。
「ミサイルよりも平和」を訴えるが苦境脱却ならず
選挙結果を見れば、共産党は改選前(7議席)の半分以下となる3議席に。選挙前の目標は比例代表で「650万票、10%以上、5議席獲得」だったが、得票286万4738票、得票率4.84%にとどまり、改選前の4議席から2議席に減少。選挙区では東京都の1議席のみで、埼玉県と京都府で議席を失った。
比例の得票数・得票率は、前回の参院選の361万8342票(6.82%)、昨年の衆院選の336万2966票(6.16%)から、さらに後退した。
その一方で、社民党は比例で121万7823票を獲得し、得票率は2.06%でかろうじて政党要件を満たした。併せて1人分の議席も確保し、候補者名で20万7143票を集めたタレントのラサール石井氏が当選した。
石井氏は公示日の7月3日の第一声で、参政党のスローガン「日本人ファースト」を念頭に、「人間にファーストもセカンドもない」と強調。これを各地の街頭演説などでも繰り返し訴えたことが勝因とみられている。
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