かろうじて政党としての体裁を保ったが… 参政党"大躍進"の裏で「老舗革新政党」共産党&社民党が直面する老衰
公職選挙法では、政党要件として①所属する国会議員が5人以上、②直近の衆院選か参院選において比例代表か選挙区での得票率が2%以上、のいずれかを満たす必要があるとしている。NHK党は得票率で政党要件を失ったが、共産党と社民党はなんとか政党要件を維持した。
この両党は、どちらも女性党首というのが特徴。両党首は選挙戦ではそろって「ミサイルよりも平和」と熱っぽく訴えて、“老舗革新”の意地を見せた。しかし、参政党の大躍進に象徴される「保守化・右傾化」の波に飲み込まれたことに加えて、有権者の既成政党批判も直撃して、苦境脱出の糸口はつかめなかった。
影響力低下で前途はさらなる「いばらの道」
日本の政党史をひも解けば、共産党の結党から104年というのは、現存する政党では最古だ。ただ、過去25年間で党員数が大幅に減少し、高齢化もしたことで、選挙での組織力・活動力も低下し続けているのが現状だ。
一方、社民党のルーツは、いわゆる「55年体制」で自民党と対峙してきた日本社会党だ。結党は終戦直後の1945年11月で、共産党と並ぶ老舗政党だが、結党以来、右派と左派の対立が続き、1960年には右派が離党して民主社会党(のちの民主党)を結成した。
さらに1996年の社会民主党への改名時には、所属議員の大半が当時の民主党に移り、いわゆる「ミニ政党」化して現在に至っている。
こうした歴史を歩んできた両党の今回の参院選での苦闘ぶりは「まさに戦後政治における革新勢力の衰退を象徴する事態」(旧社会党有力者)とも映る。
選挙戦で声をからして東奔西走した共産党の田村智子委員長と社民党の福島瑞穂党首は、いずれも笑顔で選挙を総括し、「今後も闘い続ける」と前を向いた。だが、国会でのさらなる影響力低下など、前途はさらなるいばらの道となることは避けられそうもない。
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