「これじゃ石破首相のままでよかったんじゃないか」、自民党総裁選が示す《堕ちるところまで堕ちた》政党の末路

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自民党総裁選
自民党総裁選のインターネット討論会に参加する各候補者。盛り上がるのは不祥事ばかりで、「日本の未来を語れ!」「# 変われ自民党」のスローガンがむなしく映る(写真:時事)

「これじゃ、石破茂首相のままでよかったんじゃないか」「なんのために総裁選をやっているんだ」

10月4日に投開票される自民党の総裁選挙を前に、自民党関係者からこのような声が聞こえている。1カ月ほど前までは「石破降ろし」に明け暮れ、ようやく石破首相が9月7日に辞意を表明。衆参両院で少数与党となった責任を石破首相に押し付けて、問題解決のはずだった。

にもかかわらず、総裁選が盛り上がらない。いや、より正確に記すならば、盛り上がるのは“本筋”以外の話ばかりで、肝心の政策論議は一向に深まっていない。

政策論議が深まらない根本原因

理由は、自民党の影響力が著しく低下していることだ。衰退する政党に期待を寄せる人はまずいない。

しかも今回出馬している茂木敏充前幹事長、小林鷹之元経済安全保障担当相、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保障相、小泉進次郎農林水産相の5人は、前回の総裁選にも出馬しており、顔触れに新鮮味が欠けている。

加えて、現役閣僚の林氏と小泉氏が「石破路線の継承」を主張し、石破首相が退陣する意味が不明になってしまった。また、前回の総裁選で高市氏は「首相になったら靖国神社に参拝する」と明言し、小泉氏は選択的夫婦別姓と雇用規制緩和を提唱するなど、ほかの候補と差別化する尖った政策が見られたが、今回はいずれも封印された。

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