「これじゃ石破首相のままでよかったんじゃないか」、自民党総裁選が示す《堕ちるところまで堕ちた》政党の末路
今の自民党にはそのような力がないのは明らかだが、「力どころか、今や品位のかけらさえもなくなった」と同秘書は嘆いた。要は「堕ちるところまで堕ちた」ということだろう。
『週刊文春』が10月2日発売号で、神奈川県連が6月20日付で衆院神奈川9区内の826人の党員を離党させたと報じた内容も、これと同根といえる。というのもこの頃は、自民党が過去最低の21議席となった東京都議選が22日に行われ、7月の参院選も危ぶまれていたはずだった。
もちろん、9月7日の石破首相の退陣表明を受けて行われる今回の総裁選を意識していたはずはないだろうが、党勢が衰えているときに、勧誘した前議員が支部長から降ろされて“集金”しにくくなったとはいえ、党員の意思を確認せずに勝手に処理してしまうのは、いかがなものか。
そもそも、総裁選の投票資格は原則として「総裁選挙の前2年継続して党費を納めた党員」であり、2025年の党費の支払いは要件でないことを県連幹部が知らないはずはない。にもかかわらず、神奈川県連が党費の支払い期限を半年残して6月に826人の離党手続きを行ったのは、12月まで有する総裁選への投票権を意図的に剥奪したということになる。
「コップの中の争い」に興じる自民党の面々

なぜこのようなことが起こるのか。それは「コップの中の争い」に興じているからだ。
かつて自民党総裁選は首相への予備選で、総裁になれば国会で首相に指名された。しかし、自公が衆参両院で少数派になった今では、必ずしもそうなるとは限らない。
そのような中で、“キングメーカー”が台頭するチャンスをうかがっている。麻生太郎元首相と岸田文雄前首相は10月2日、都内で40分ほど会談した。党内唯一の派閥を率い、議員票のカギを握る麻生氏は、前回の総裁選で高市氏を支援したが、今回は高みの見物を決め込んでいる。麻生派所属のある議員は「前回は投開票日の前日に麻生会長から電話がかかってきた。今回も同じじゃないかな」と語った。
総裁選まであと1日を残すばかりになった。誰が自民党を率いるのか、いや、誰が“キングメーカー”に操られるのか――。
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