無理をしてでも大学に進学すべきか
日本は学歴社会だと一般的に考えられている。学歴によって生涯所得に大きな差があるからだ。
高卒と大卒では年間賃金に100万~150万円程度の差があり、そのために生涯で4000万~6000万円程度の差が生じると、しばしばいわれる。退職金や年金の差を考えれば、その差はもっと大きくなる。
このような認識に基づいて、学歴がないといくら実力があっても生涯にわたって安い賃金に甘んじざるをえない、とされる。学歴がなくても高い能力を持つ人は、それに応じて高い賃金を得られるべきだ。にもかかわらず、学歴によってこれほど大きな差が生じるのは不公平だ、というわけである。
また、大学進学のために費用がかかるといっても、上記の生涯賃金差である4000万~6000万円よりは少ないだろう。したがって、どんなに無理をしても大学に進学すべきだ、という指摘も見受けられる。
このような考えが正しいか否か、データによって確かめることができるのだろうか。そして、大学進学は経済的に見て割が合うものになっているのだろうか。実際に検証してみたい。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら