日本人が「軍事関連の話をタブー視」すべきでないワケ 「大坂の陣」や「戊辰戦争」から学べることもある

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防衛産業の地政学 これからの世界情勢を読み解くための必須教養
軍事・国防とカネの問題は、双方の重要性を理解し、バランスよく結び付けて考えなくてはいけない(写真:時事)
高市早苗新政権の発足がきっかけとなり、外交や国防に変化が見られはじめている。
だが、防衛研究所主任研究官の小野圭司氏は、「国内で軍事や防衛について関心を持つ人はごく一部だ。もっと社会全体で関心を持ち、議論を活性化してほしい」と指摘する。
防衛産業の地政学 これからの世界情勢を読み解くための必須教養』などの著書がある小野氏に、国内外の軍事・防衛事情などを聞いた。

日本では軍事関連の話がタブー視されている

日本では、軍事や防衛というものが、どちらかというと「向き合うことがタブー」とされている節があるように思います。

ですが、国際関係を論じるうえでは避けては通れないものですから、防衛省や自衛隊だけでなく全国民が国防や外交問題などについて積極的に考えて議論していこうという土壌を醸成しなければいけません。

たとえば、イギリスやアメリカなどは、BBCやヒストリーチャンネルといったテレビ番組で歴史のプログラムが多々放映されます。その中で、ギリシャ・ローマ時代の軍隊の話から展開することも少なくありません。つまり戦争を人間がたどってきた営みとしてとらえています。

日本でも過去には、日清・日露戦争や戊辰戦争、戦国時代や南北朝・源平などの戦いがありました。しかし、今日の日本で軍事や防衛、戦争といったテーマを考える、もしくは議論する場合、太平洋戦争に終始することがほとんどです。そして「戦争がダメだ」「軍隊は悪」として終わりです。

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