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「戦争とはビジネスだった」昭和史の大家がたどり着いた衝撃の結論。「戦争の悲劇」は日本の会社員にとって他人事ではない

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戦争とビジネスのイメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)
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30年以上にわたる企業取材の経験を通して、「ヤバい」と感じた会社や仕事を取り上げていく。【原則日曜日更新】

夏は戦争について考える季節だと思っている。

この時期、ニュースでは8月15日の玉音放送の映像が流れる。この80年間、日本人は繰り返し、この場面を目にしてきた。

灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、呆然と立ち尽くす人々……。彼らは敗戦を受け止めきれていない。

不安な表情の裏でこう思う。

「なぜ、日本は負けたのか」

資源が乏しいのに超大国アメリカに無謀な戦いを挑んだから?

うむ。その通りである。

ではなぜ、それほど無謀な戦争に突入したのか?

そんなプリミティブな疑問に、今も歴史の大家は呻吟(しんぎん)している。

保阪正康、85歳。

昭和史研究の第一人者で、すでに150冊近い著作を出している。

その保阪をしても、日本が戦争に突入した謎が解けていなかった。

「なぜ日本人は太平洋戦争を始め、敗戦に至ったのか。なぜ、『玉砕』『特攻』といった無謀な作戦で多くの人命を失ってしまったのか?」

書き出しでそう問題意識を呈している。この『近代日本の地下水脈』はシリーズとして刊行中で、既(すで)に2冊が出版されている。

「戦争が、なぜ起きたのか」が判然としなかったのだ。その源流を突き止めずして、日本と日本人の本質は理解できない──。

そんな執念を感じる。

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