「お辞儀する日本」対「ポケットに手の中国」外交会談で印象づけられた"主従の構図"に学ぶべきこと

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18日、北京の中国外務省で、劉勁松アジア局長(手前右)と話す外務省の金井正彰アジア大洋州局長(同左)(写真:時事通信)

高市早苗首相の「台湾有事」発言を受け、日本の金井正彰アジア大洋州局長と中国の劉勁松(りゅう・けいしょう)アジア局長が北京で会談しました。

なかでも注目を集めたのは、会見後2人が報道陣の前に現れたときの表情と態度です。両手をポケットに入れたまま立つ劉局長と、その劉局長にお辞儀をしているように見える金井局長。

はたして両氏の胸中とは? 表情・動作分析の観点から考察します。

カメラの前で作られた「上下」の構図

会談後、報道陣の前に姿を現した両局長は、言葉を交わし、しばし立ち止まります。このとき劉局長は、ポケットに手を入れたまま、身体の正面をカメラの方に向けています。

顔と視線だけは金井局長の方に向け、口角をわずかに引き上げています。一方の金井局長は、身体の側面をカメラの方へ向け、頭をやや垂らし、視線も下に落とした姿勢です。

金井正彰・外務省アジア大洋州局長 劉勁松・中国外務省アジア局長
18日、中国のSNSで広まった動画。左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。金井氏が劉氏に頭を下げたように見える=[中国国営テレビ電子版より](写真:時事通信)

報道映像をよく見ると、2人が会場から退出する際、金井局長が報道陣の方へ身体を向けるより先に、劉局長がカメラ正面に身体を向け、ひと言投げかけてから立ち止まっています。この動きによって、両氏の身体の角度は固定されます。

実際の体格差はほとんどないにもかかわらず、身体の向きや頭の角度の違いによって、劉局長の方が大きく、金井局長が小さく見える構図が生まれます。

さらに、金井局長が頭を垂れているため、劉局長の頭の位置は相対的に高くなり、引き上げられた口角と相まって、金井局長を見下し、冷笑しているようにも映ります。

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