ミャンマーに今も残る数カ所の日本人墓地の実態、80歳迎えても現地に残り守り続ける日本人、世代を継いで墓守をするミャンマー人家族

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ヤンゴン日本人墓地を世代を継いで守っているゾウゾウラさん(左から2番目)とシュエテインさん(右から2番目・奥)の2家族(写真:筆者撮影)

「世界中に日本人墓地はありますが、ヤンゴン日本人墓地が世界で最もよく管理されていますと、ある遺族会の方からお褒めの言葉をいただきました」

そう誇らしげに語るのは、ミャンマーと57年にわたり関わり、人生の大半をヤンゴンで過ごしてきた池谷修さんです。池谷氏は、かつてヤンゴン日本人会の会長を務めた経験を持ち、退任後も総務担当として長年にわたりヤンゴン日本人墓地の管理に尽力されてきました。

参拝者数が年々減少

現在のヤンゴン日本人墓地(イエウェイ日本人墓地)は、ヤンゴン市街地の北方約15キロメートルに位置するヤンゴン国際空港から、さらに北へ約10キロメートル進んだ場所にあります。敷地面積はおよそ3エーカー(約1万2100平方メートル)に及び、ミャンマーと深く関わった多くの日本人の慰霊碑や墓石が、今も静かにたたずんでいます。

近年は、ミャンマー国内の政治・治安の不安定さに加え、遺族の高齢化に伴い、遺族会や戦友会などの参拝者数が年々減少しています。とくに、2021年2月のクーデター以降は、その減少が急激に進んでいます。このような状況を踏まえ、今後のヤンゴン日本人墓地の管理・維持のための資金確保が大きな課題となってきています。

そこで今回は、普段あまり語られることのないヤンゴン日本人墓地の歴史を振り返ってみたいと思います。

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