「お辞儀する日本」対「ポケットに手の中国」外交会談で印象づけられた"主従の構図"に学ぶべきこと

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中国側が、報道されることをどこまで意識して、このような表情・動作をとったのかはわかりません。しかし、映像を見る側としては、「屈する日本」「余裕の中国」という日中の対照性を感じざるを得ません。

中国側に明確な意図があったかどうかにかかわらず、結果として日中の主従関係を印象づけることに成功しており、非言語の使い方という点で一手も二手も上手であったと言えます。

実際はどうあれ、印象操作で日本は敗れた

心理状態がどうであれ、戦略的な理由もなく相手に弱さを見せるのは得策ではありません。日本側は、非言語的な振る舞いが相手にどう見えるのか、第三者の目にはどのような印象として残るのかについて、十分な研究も訓練も行っていないように見えます。

本来であれば、自身のポジティブな側面を強く印象づけるパフォーマンスと、ネガティブな要素を目立たせないパフォーマンスを、国家として意識的に鍛え、場面ごとに設計していく必要があります。

非言語は「つい表に出てしまうもの」ではなく、「戦略的に用いるべき資源」であるという発想への転換が、今の日本外交にとって急務だと私は考えます。

清水 建二 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役

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しみず けんじ / Kenji Shimizu

1982年、東京生まれ。防衛省研修講師。特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本顔学会会員。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』イースト・プレス、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』フォレスト出版、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。

公式サイト:https://microexpressions.jp/
 

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