反省して損した。
前回の記事「『歴史的株高』と『高市首相人気』はいつ終わるのか」(11月1日配信)では、「高市政権はない、破綻する」「日経平均5万円は行かない」などといった予想が外れたことを反省し、「支持率が十分に上がったのだから政権維持に目標を切り替え、主張を中立化して安定した政権運営を目指すなら、長期政権となりうる可能性を認めざるをえない」、といった趣旨の話を書いた。また「今後の経済政策は穏当となり、右翼的な発言ですら影を潜めていくだろう」とも書いた。
間違いだった。
「株も高市首相も、どこまで舞い上がっていくのか?『舞い上がりすぎだ。すぐに落ちる』、と言いたいところだが」などとも書いた。私は反省して、自分の主張の方を中立化してしまったが、しかし、高市首相は、支持率が上がりすぎて、舞い上がってしまい、中立化を忘れてしまった。調子に乗ってしまい、余計な発言を連発した。
なぜ高市首相の発言は余計だったのか
まずは、台湾有事に関連する発言である。これは、完全に勇み足で、言わなくてもいいことを、自分の考えを言いたい欲望に負け、言ってしまった。
中国は猛烈な反発をした。高市発言が正しいとか間違っているとかではなく、日本にとっては、誰も得をしない、あるいはメリットなしに、ただ、中国に敵対するという印象を持たせる(あるいは、日本が攻撃的だ、と主張したい中国内部の一派に都合よく利用される)だけにすぎない。
国内右派の支援を増やせる、ということもない。なぜなら、この発言で喜ぶような人々はすでに高市氏を熱狂的に支持しているからで、むしろ、中間層で高市氏をよく知らずに好感を持ちはじめた人々の票を減らしただけだ。つまり、高市氏が気持ちよく発言したい、という欲望を満たすためだけの発言だったのだ。おそらく、高市ブームと言われるような雰囲気になっていなければ、高市氏も、もっと慎重に発言しただろう。浮ついているのである。



















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