金融機関が富裕層に売りまくっていた『仕組債』の知られざる"カラクリ"とは? 現役プライベートバンカーがかつて法人相手に行った販売法を「懺悔」

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現役プライベートバンカーがこっそり教える億万長者の資産運用
金融機関が「富裕層のお客様限定」と位置づけている商品は、必ずしも儲かるものばかりというわけではありません(写真:kai/PIXTA)
プライベートバンクに関する長い歴史を持つ海外の金融機関はもちろん、近年では国内のメガバンクや大手証券会社でも、グループ内にプライベート・バンキング部門等を設けて富裕層ビジネスに力を入れています。その理由は、ズバリ「儲かるから」。
そうした富裕層ビジネスの現場で長く生き抜いてきた濵島成士郎氏の新著『現役プライベートバンカーがこっそり教える億万長者の資産運用』(すばる舎)では、お金持ちの資産運用の世界が詳しく描かれています。
今回はそのなかから、富裕層ビジネスに奔走する金融機関が、かつて盛んに売りまくっていた金融商品「仕組債」の実態と、筆者自身がこの商品を売りまくっていた頃を振り返っての“懺悔”をお伝えします。

金融機関が「富裕層のお客様限定」と位置づけている商品は、特別待遇でどうしたって儲かる商品ばかりなんだろう、と考える方が多いと思います。しかし、必ずしもそういうわけではありません。

儲かる可能性が高い商品もありますが、なかには、どちらかと言えば「金融機関が売りたい」、もっと直裁に言えば「金融機関が自分の都合で、お金を持っている顧客に売りつけたい」要素が強い商品もあります。

その代表例が「仕組債」です。そのカラクリを解説しましょう。

金融機関には「おいしい」商品

仕組債とは、スワップやオプションなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで、一般の債券とは異なるキャッシュフローを生み出す債券のことです。

主として、株価や為替などの参照する指標によって、利率や償還金額が変動する仕組みになっていて、主に次のような種類があります。

通常は私募の形をとり、投資家のニーズを確認しながら、個別に数千万円単位で販売されます。

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