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金融機関が富裕層に売りまくっていた『仕組債』の知られざる"カラクリ"とは? 現役プライベートバンカーがかつて法人相手に行った販売法を「懺悔」

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  • 濵島 成士郎 日本証券アナリスト協会認定シニア・プライベートバンカー/株式会社WealthLead 代表取締役
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この資料が公表された2022年には、EB債を購入した顧客からの苦情が相次いでいました。米国株を参照銘柄としたEB債で、大きな損失を抱える顧客が続出したのです。

2023年6月には、金融庁は千葉銀行・武蔵野銀行の2行と、ちばぎん証券に業務改善命令を出しています。

顧客の年齢や知識、投資目的などに合わせて商品の販売や勧誘を行うべきだとする「適合性の原則」に違反して仕組債を提案したり、顧客にリスクを十分に説明しないまま仕組債の勧誘や販売をしていたと指摘したのです。

法人相手に多額の手数料をゲット!…やってました

少し懺悔をすると、かく言う私自身、仕組債で手数料を稼ぎまくっていた時代がありました。前職の某証券会社で営業店の課長をしていた2000年前後の話です。

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当時は学校法人や宗教法人、財団法人などの法人顧客への営業が私に課せられたミッションでした。

これらの法人は株式や投資信託を購入することはできないのですが、許されている債券への投資による高い利息収入を期待していました。

そこで、法人向けのリバースデュアル債をバンバン販売しました。

上述したように、リバースデュアル債のクーポンは為替に連動して変動しますが(円高になると低くなり、円安になると高くなる)、償還時には円で元本が保証されている商品でした。

この商品も収益性が高く、2~5%程度が営業店の収益になりました。10億円販売して、一発で手数料5000万円をゲット! などとやっていて、そんな商いが決まったときは、もう支店のヒーロー気どりで鼻高々でした。

我ながら、自分は「手数料稼ぎの鬼」だなと思っていたものです。

決して法律違反の商品ではなく、投資リスクもしっかり説明したうえでの販売を心がけていましたが、その後、当時の顧客のなかには大きな損失を出したところもあったと聞き及んでおり、振り返ったときに後ろめたさを感じるところがないとは、正直言えません。

そのあたりの事情も、その後、私が独立したプライベートバンカーになることを決断した理由のひとつになっています。

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