この10年間にたくさん稼いで株主に還元してきた会社はどこなのか。単年の実績では一時的な要因に影響されることもあるため、長期で見た稼ぐ力と株主還元力を確認する。
今回は金融機関を除いた一般事業会社を対象に、過去10年間の累計純損益と累計配当総額を計算し、累計の配当総額が多い順にランキングを作成した。
還元性向は10年間累計の純損益と配当総額から算出したもので、純損益がマイナスの場合は空欄とした。変則決算が含まれる会社や10年以内に新規上場した会社は対象外とした。
トヨタ自動車が圧倒的な累計の株主還元を実施
1位のトヨタ自動車は10年間で約7.5兆円の配当を実施しており、2位以下を引き離している。これだけ巨額の配当を出しながらも、期間中の純利益は27.8兆円に達していて、配当性向は27.1%にとどまった。稼いだ利益を設備投資にも回しつつ、還元も行ってきた。
2位のNTTと4位のKDDIの通信大手は、安定した収入を背景に継続的に配当を行っていて上位にランクインした。 また、6位三菱商事、9位三井物産、10位伊藤忠商事の総合商社3社もランクインした。資源価格の変動などで利益の浮き沈みはあるものの、長期間にわたって株主還元を行ってきた。
ランキングには、算出した還元性向が100%を超える企業もある。 ランキング5位の武田薬品工業は、還元性向が139%となった。10年間の純利益合計(約1.7兆円)よりも、支払った配当総額(約2.3兆円)のほうが多いことを意味する。
利益が一時的に落ちこんでいても、手元の現金が潤沢なら配当を維持することがあり、累積で見た場合には利益総額を配当総額が上回るケースもある。高配当を維持する姿勢は、投資家からは株主重視として評価されるだろう。一方で、将来の設備投資や研究開発が十分に行われているか、還元の程度については注意が必要だろう。




















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