金融機関が富裕層に売りまくっていた『仕組債』の知られざる"カラクリ"とは? 現役プライベートバンカーがかつて法人相手に行った販売法を「懺悔」
4種類の仕組債について簡単に説明しましょう。
EBは Exchangeable Bond の略で、満期償還のときに、現金の代わりに株式で償還される可能性がある債券です。
債券を発行する会社(主として海外の銀行)と、償還される可能性がある株式の会社が違うため、「他社株転換可能債」とも呼ばれます。
株価指数や為替相場などの値動きに連動して、償還金額や利率が変わる債券です。
参照指標の変動によっては元本割れしたり、利率が下がったりするリスクがあります。
円建てと外貨建ての両面の性質を持つ債券のことです。日本国内では、主に払い込みと利払いは円で、償還はドルなどの外貨で行うものを「デュアル債」と呼んでいます。
払い込みと償還が円で、利払いがドル等の外貨になるものは「リバースデュアル債」と呼びます。
CDS(クレジットデフォルトスワップ)と呼ばれるデリバティブを内包した債券です。発行者や参照企業の信用リスクに連動して、利率や償還金額が変わります。
これらのうち、特に積極的に販売されていたEB債について詳しくお伝えしましょう。
「されていた」と過去形になっているのは、現在は後述する理由により、EB債の販売には慎重になっている金融機関が多いからです。
途中売却できないから逃げられない!?
EB債にもさまざまなバリエーションがありますが、典型的なタイプで説明しましょう。まずは償還金についてです。
参照する銘柄を決めたうえで、その銘柄の株価が償還までのあいだに発行時点から30%程度下の水準(ノックイン価格)を下回らなければ現金で償還、一度でも下回れば、その銘柄の株式と現金調整額での償還となります。
また、途中で早期償還する条項がついている場合も多いです。3カ月ごとに利払い日があり、そのタイミングで、発行時点の株価から一定程度上の水準(ノックアウト価格)を上回っていれば現金償還となります。
逆にノックアウト価格を下回っていれば、次の利払い日に償還か存続かが決定される仕組みです。
利率も、利払いのタイミングで一定の水準を上回れば高利率、下回れば低利率となる仕組み(デジタルクーポン)がついている場合がありました。


















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