やっぱり「高市首相の経済政策」はいずれ破綻、「成長戦略も絶対に失敗に終わる」と言える10の理由

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最後に、成長戦略と言われるものも、惨憺たる結果をもたらすであろうことを解説しておこう。

「成長戦略も失敗に終わる」と言える「10の理由」

高市政権の成長戦略の特徴は、政府による積極的な介入主義ということである。政府が直接投資するか、あるいは率先して企業に追随を求める、という形である。この時点で、必ず失敗することがわかる。本連載でも北海道に本拠を置く半導体企業、ラピダスを評する記事にも書いたとおりだが、10の理由がある。

第1に、民間セクターでできないことが政府にできる、ということは21世紀にはほぼ存在しない。民間にできないので、政府の出番がある理由としては、第1の可能性は、大規模投資で、政府の金が必要だ、ということだが、いまやアメリカでは時価総額100兆円以上の企業が十指にあまるほどになり、そんな企業なら、投資金額だって10兆円ぐらいまでならいける。日本政府には、1つのプロジェクトに10兆円は出せない。規模はむしろ民間企業の方が大きいのである。

第2の可能性は、民間には取れないリスク、あるいは長期的視野が政府にはできることだが、先の見えない世の中だからリスクがあるのであり、そもそも長期的な予測は原理的に無理な時代なのである。政府にできる理由は1つもない。

政府に見える未来とリスクは、民間企業にも見えるはずであり、そのリスクを取らないのは、リスクをとっても利益が得られないと予想されるからであり、無謀に突っ込めば倒産してしまうからである。どれだけ借金が膨らんでも気にしない高市政権なら、倒産しても気にしないかもしれないが。

第3には、まさに、これのミクロ的な話で、戦略としての勝ち筋が民間には見えないのに政府には見える可能性であるが、そんなことはありえない。政府にだけ見えているなら、民間にただ教えてあげればいいのである。

しかし「審議会などで検討する」ということは政府にはわからないから、民間委員に聞いて決めるのであり、ヒアリングで企業に聞いて、彼らに教えてもらって、やっと決められるのである。

第2の、政府の戦略的投資が失敗する理由は、この延長線上にある。つまり、勝ち筋を見極める、その分野に活路があるか見極める目利きが、政府にはいないからである。

なぜ、日本企業が現在の先端技術の競争で成功しないかというと、この目利きに失敗しているか、目利きができる自信がないからであり、政府で目利きをするのであれば、目利きの達人を探してこないといけないのであるが、民間企業にいない以上、日本のどこにもいないのである。

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