アメリカの資産運用大手であるフランクリン・リソーシズが、競合会社であるレッグ・メイソンを約5000億円で買収すると発表した。両社を合わせた運用資産額は1兆5000億ドルになる。このケースの他にも、近年、海外では資産運用会社同士の買収が増えている。業界再編が進んでおり、運用会社が巨大化・少数化しつつある。
資産運用会社のM&Aが進むワケ
この背景には、ETF(上場型投資信託)を中心に運用手数料が安いパッシブ運用(大半が株価指数に連動するインデックス・ファンド)の比率が増えて業績が頭打ちになっていること、運用そのものも含めて運用ビジネスの機械化・システム化が進んでおり、システム投資にコストが掛かるようになったことなどが背景にある。
かつて運用業界は、インデックス運用からアクティブ運用までを広くラインナップした大きな運用会社と、小さいが特色のある「ブティック的」なアクティブ運用会社が混在する、なかなか魅力的な業界であったが、今や特に後者にとっては厳しい環境になってきた。そもそも、方法論としての運用のやり方で意味のあるものが、運用会社の数ほどあるわけではないし、インデックス運用の方がアクティ運用よりも手数料が安いうえに運用成績がいいことが顧客に知れ渡ってきた。
より正確に言うと、(1)アクティブ運用はインデックス運用に平均的に負けており、同時に(2)相対的に良いアクティブ・ファンドを選んで投資することが不可能であること、の2点が現実であり、これらを組み合わせて判断すると、(3)手数料の高いアクティブ・ファンドに投資することが合理的ではないのだ。
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