新築マンションの「4戸に1戸」がタワマン、それでも供給が止まらないデベロッパーの懐事情

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
東京湾岸を中心に建設が止まらないタワーマンション。いまや新築マンションの4戸に1戸がタワマンという状況です(写真:葉/PIXTA)
インフレ、人手不足、外国人投資家の参入……。不動産マーケットの常識が変わり、マンション価格の高騰はとどまるところを知りません。にもかかわらず、至るところに乱立するタワーマンション。高額タワマンはいったい誰が買っているのでしょうか? なぜ次々と建設されるのでしょうか? 本稿では、『不動産の教室 富裕層の視点が身につく25問』(大和書房)から一部を抜粋・編集して紹介します。

タワマンという定義は実はありません。

しかし、タワマンという単語はすっかり定着した感があります。マンションデータを取り扱う不動産経済研究所では、20階建て以上のマンションのことを超高層マンション(タワマン)として統計を取っています。

2004年から2023年までの20年間、首都圏でどのくらいの量のタワマンが供給されたかというと、実に696棟、21万9478戸です。この間の新築マンション供給戸数は91万9005戸なので、供給された新築マンションの23.9%、およそ4戸に1戸がタワマンという計算になります。

「眺望が開けていて、共用部も充実、資産性もある」などの理由でタワマンは大人気です。特に都心部のタワマンは東京の夜景が楽しめるなど、所有者の虚栄心をくすぐる要素もあり、デベロッパーも積極的に供給しています。

タワマンは「コスパがよくて、おいしい」

デベロッパーの側からみてもタワマンはおいしい事業です。

マンションを建てるにあたって、普通のマンションでもタワマンでもかかる手間はあまり変わりがありません。土地を仕入れる。建物を建設する。住戸を販売する。規模の大小があっても仕事自体はあまり変わりがないのです。

ところが普通のマンションとタワマンとでは利益を上げるための効率が違います。

次ページ両者の効率の違いとは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事