1989年バブル絶頂期と何が違う? 日経平均5万円でも「サナエバブル」ではない理論的な根拠
株式市場では日経平均株価の5万円が節目となっています。10月31日には最高値となる5万2411円まで上昇しましたが、その後は4万8000円台まで下落しました。しかし、11月末には再び5万円台を回復しました。
足元は、今後の相場が上昇に向かうのか、あるいは再び調整局面に入るのかを見極める重要な局面にあります。そこで、まずは足元の株価水準が理論的に整合しているのかを整理し、そのうえで今後の相場展開を予想します。
日経平均5万円は本当に「バブル」か
足元で株価が上がりにくくなっている大きな要因として、高値に対する警戒感があります。今年の年初から11月末までに日経平均株価はすでに1万円を超えて上昇しており、年間の上昇幅としては過去最大となっています。急激に株価が上昇してきたことから、行き過ぎへの不安や利益確定の動きが意識され、市場では先行きに慎重な見方が広がり始めています。
これまで年間の上昇幅で最大だったのは、資産バブル期である1989年の8756円でした。当時はその反動として翌年に日経平均が1万5000円下落したこともあり、今回の急上昇と重ね合わせると、不安も感じるかもしれません。しかし、本稿でお伝えしたい重要な点の1つは、足元の株価については多くの面で合理的に説明でき、現在の相場をバブルとみなす状況にはないということです。
株価は景気の鏡と言われます。これは、景気が良いと株価は上がり、景気が悪くなると株価は下がるという関係があるためです。そして、より正確に言えば、株価は現在の景気そのものよりも、将来の景気がどうなるかという見通しに反応します。
足元の例で言えば、10月19日(日曜日)に高市早苗氏の首相指名に向けて日本維新の会が支持するとの報道があり、週明け翌営業日の20日には高市首相の誕生期待から日経平均株価が1603円急騰しました。高市氏が掲げるサナエノミクスが本格的に動き出し、その実現に向けた政策運営が進むのではないかという期待が高まり、将来の景気拡大を織り込む形で株価が上昇したものです。



















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