「本当に年収が上がった企業ランキング! 3位は「3COINS」のパルグループHD、2位はPKSHA Technology、では1位は?

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売上高を拡大させるとともに平均年収も増加した日本製鉄(撮影:梅谷秀司)

物価高騰が続いているものの、給与の伸びはそれほどでもないという人も少なくないだろう。政府による賃上げ要請などもあり、企業への給与引き上げの圧力は高まっているが、果たして企業はどれくらいの賃上げをしてきたのか。

平均年収を比較する際に、直近の平均年収や前年比の増減額だけを見ていると、実態を見誤る可能性がある。例えば、企業に特別利益が出てボーナスが一時的に増えた場合など、平均年収は大きく変動してしまうからだ。

そこで東洋経済オンラインは、持続的に賃上げした会社を見るために過去3年平均の年収伸び率ランキングを作成した。対象は、有価証券報告書に4年連続で平均年収の開示があるプライム上場企業(10月末時点)で、各社の2025年3月期の平均年収から3期前までのデータを使用、過去3年の対前年比の平均年収伸び率を平均化して算出した。

上位には伝統的な製造業・AI企業など多様な業種

それでは継続的に年収を伸ばしている企業はどこなのか、トップ3をみていきたい。

1位は日本製鉄で22年3月期に535万円だった平均年収を、直近では905万円まで引き上げた。この期間に順調に売上高を拡大していて、22年3月期に6兆8088億円だったところから、2025年3月期には8兆6955億円まで増やした。直近ではアメリカのUSスチールを買収、足もとでは再編にともなう損失や関税による影響を受けるが、売上高はさらに伸びていくことが予想される。

2位のPKSHA Technologyは自然言語処理技術を用いたアルゴリズムなどを提供するプライム上場企業。社内外の問い合わせに自動応答をするツールを核とした、AI SaaSなどが堅調に伸びている。売上高や利益ともに順調に拡大していて、それに伴い従業員数や平均年収も増加した。直近2024年9月期平均年収は35.4歳平均で1125万円になる。単体の従業員数も64人から120人に倍増させてきた。

3位は、「チャオパニック」などの衣料ブランドや生活雑貨「3COINS」などを展開するパルグループホールディングスが入った。同社も売上高や利益は順調に拡大している。「3コインズ」は香港やマレーシアにも出店、海外展開も進めている。22年2月期に536万円だった年収は25年2月時点で867万円まで増加した。

ランキング上位企業は、売上高を伸ばしてきたという傾向はみられるものの、業種による偏りはみられなかった。もともとの給与水準がそれほど高くなかったケースや、業績拡大フェーズに合わせて急速に給与水準を引き上げた結果として「伸び率」が非常に高くなっているケースがあった。

自分の「将来の給与」を考える際にも、ここ数年の平均で見て着実に給与を上げてきた企業で働くというのは安心材料になるだろう。就職活動中の学生や転職を考えるビジネスパーソンの参考にもしてほしい。

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