時代ごとに高年収企業の顔ぶれはどう変わってきたのか。有価証券報告書のデータを基に平均年収ランキングを作成。20年前の2004年、2009年、2014年、2019年の5年ごとのランキングから、高年収企業の特徴や変化についてまとめた。
ランキングではホールディングス化で従業員数の少ない企業を除外するため、単体の従業員数20人以上の会社を対象とした。各企業で社名変更があった場合は、現時点の社名で掲載している。
2004年・2009年時点はメディアが強かった
2004年のランキングでは、上位5社にフジ・メディア・ホールディングス、朝日放送グループホールディングス、日本テレビホールディングスがランクイン、上位10社中の5社をテレビメディアが占めた。この時期、メディア業界は高い利益を上げ、高年収を実現していたことがわかる。
この傾向は2009年時点でも続き、フジ・メディア・ホールディングスが首位を維持していたほか、朝日放送グループホールディングス、TBSホールディングスも3位までに入った。また、総合商社は6位に三井物産、8位に住友商事、9位に三菱商事が入るなど上位にランクインした。金融危機の影響で打撃を受ける企業も多い中で、比較的影響の少なかった業種が上位に並んだ。
2014年のランキングでは、まだテレビ大手も上位に位置しているが、M&Aキャピタルパートナーズが1位に立つなど変動の兆しがみられる。その傾向は2019年のランキングになると顕著で、同社が1位を維持し、平均年収が31.2歳ながら3109万円という驚異的な数値となった。
また、キーエンスが2位にランクインし、平均年収は2000万円を超えた。一方で、2014年まで2位以内に位置していたフジ・メディア・ホールディングスは36位にランクを落とした。新しい高年収企業がメディアを凌駕して定着したのがこの時期だった。
金融業界や総合商社、半導体関連も安定した収益をあげるようになり、高年収ランキングの上位に定着している。過去の高年収ランキングを振り返ると、主役の交代がみられる。企業の年収ランキングは、業界のトレンドや経済状況を反映することから、長い目でみて比較すると、企業の栄枯盛衰がわかる。必ずしも今の高年収企業がトップであり続けるとは限らない。
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