『蝦蟇の油』 岩波書店
上司に手柄を横取りされた経験のある人は少なくないだろう。反対していた人たちが、成功したとなると、手のひらを返して「自分も賛成していた」と言い出すというのも、経験したことのある人が多いだろう。
人間というのは“成功”に弱い
NHK「ラジオ深夜便」の人気コーナー「絶望名言」に出演中の文学紹介者が、ビジネスと人生の“絶望”に効く名言を毎週お届けする。【火曜日更新】
出版でもそういう話はよく耳にする。企画に反対し、「本のことがわかっていない」と説教していた人が、売れたとなると、「こういう企画が今の時代には必要だと思っていた」と言い出し、さらには「もともと自分が提案した」と言い出したり。
よくないと本当に思うのなら、たとえ売れても反対し続けるべきだし、人の手柄を奪ってもむなしいだけのはずだ。
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