フランス映画の巨匠が撮る「映画への深い愛」 デプレシャン監督に取材、仕事観などを聞いた
『そして僕は恋をする』『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』など、フランス映画界を代表する映画監督アルノー・デプレシャンが、映画の誕生から現在に至るまでの名作の歴史と映画の魅力を語り尽くしたシネマ・エッセイ『映画を愛する君へ』が1月31日より全国順次公開されている。
デプレシャン監督の自伝的な作品でありながら、一般の観客が自らの映画体験を語るインタビューも交えたドラマとドキュメンタリーのハイブリッドな構成で、映画愛を高らかに宣言している。
また映画のみならず、映画館へのラブレターとしても、その思いがせつせつとつづられており、大阪のシネ・ヌーヴォ、東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセ、国立映画アーカイブなど世界各地の個性的な映画館や上映施設が登場する。
そこで今回はデプレシャン監督にインタビューを敢行。「天職」だと語る自身の仕事観、そして30年以上にわたるキャリアを振り返ってもらった。
映画監督として30年以上のキャリア
――映画監督として30年以上のキャリアを誇るデプレシャン監督は、映画賞も数多く受賞するなど高く評価をされてきましたが、このタイミングで映画への愛をうたう自伝的作品を発表したのはなぜでしょうか。
やはり年齢というのは非常に大きかったと思います。この歳になって自分が今までやってきたキャリアを振り返って、自分自身が観客になりたかった。私自身シネフィル(映画通)で、映画が大好きなんです。そして私の人生とともに歩んできてくれた宝物のような映画を、改めて観客として見て、そしてそれを映画にしていきたいという思いがありました。
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