物価高でもなぜ「一杯240円」で戦うのか?─うどんチェーン社長の逆張り経営論…「俺はお前の苦悩のうどんが食べたい」父の言葉が支える覚悟

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小麦冶の店舗外観
物価高の中、一杯240円のかけうどんを提供する小麦冶(写真:筆者撮影)
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一杯290円のラーメンを50年届けている「博多ラーメン はかたや」。経営するのは昭和食品工業の澄川誠社長だ。同社は一杯240円のかけうどんを提供する「釜揚げうどん 小麦冶」も展開している。

前編では、「釜揚げうどん 小麦冶」を訪ね、自家製麺、こだわりの出汁、原価割れのおぼろ昆布をいただいた。

前編:「かけうどん一杯240円」「うどん+とり天+いなりセットでも440円」の衝撃…地元民の日常を支える生活密着《うどんチェーン》の正体

この価格とおいしさをどのように実現しているのか、澄川社長を訪ねると、意外な答えが返ってきた。

「自分としては、240円はあんまり安いと思ってないですね」

うどん一杯240円は「安くない」!?

「ごぼう天うどんや、肉うどんが290円だったら安いんですよ。240円のかけうどんは、別に安くないと思います」

澄川社長のひと言から取材は始まった。肉うどんやラーメン一杯290円なら安い。でも、240円のうどんは安くないという。

その言葉の背景には、かけうどん一杯140円で営業していた、かつての小麦冶の姿があった。当時の客単価は380円ほど。今は500円近くになっているという。

「競争社会のなかでシェアを取っていくという考え方からすると、240円ではシェア取れないなって思いますね。中途半端で……」

どういうことなのか。

「まず、『マクネアの小売の輪』という話があるんです」と社長は語り始めた。

澄川社長
図解しながら説明してくれる澄川社長(写真:筆者撮影)
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