じりじりと上がる「長期金利」は危険信号か? "金利復活"で高まる【債券市場】ならではのリスク

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「債券市場」特有の性質について、過去の事例をひもときながら解説します(写真:khadoma/PIXTA)
株式市場に比べて値動きが落ち着いていることが多かった債券市場。ここに来て日銀による利上げ観測などもあり、じりじりと長期金利の上昇が続いていますが、金融アナリストの田渕直也氏によれば、過去にも債券相場に波乱が生じたケースはあるそうです。
そこで本稿では、田渕氏の著書『教養としての「債券」』から一部を抜粋・編集する形で、過去の事例を紹介しつつ、これからの「金利がある時代」に債券市場が抱えるリスクについて解説します。

1994年、アメリカでの"債券市場の大虐殺"

債券市場は、株式市場に比べると、落ち着いた値動きをすることが多く、経済ニュースで取り上げられることも多くありません。それでも過去には、債券相場に波乱が生じて大きなニュースとなったケースがいくつか存在します。

日米における代表的な事例をみてみましょう。

◎アメリカ:1994年の債券大虐殺

アメリカは、1990年に比較的短い景気後退(リセッション)を経た後、ゆるやかな回復期を迎えました。そして1993年の末頃から1994年にかけてインフレ圧力がジワリと高まってくることとなりました。

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