「ニセコ乱開発」と騒ぐネット民の大誤解 ショベルカーが並ぶ"現場"で本当に起きていたこととは?

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比羅夫坂・ニセコひらふ地区(写真:HAPPY SMILE/PIXTA)
ネット上で「乱開発の現場」と騒がれるニセコの一角。しかし、現地で目にしたのは、ニュースの断片的な情報からは見えてこない意外な光景でした。本稿は『強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る』より一部抜粋のうえ、住民たちが30年かけて守り抜いてきた「真の価値」と、外資流入の裏に隠された町の矜持に迫ります。

「乱開発が起きている」のウソ

「乱開発が起きている」とネットニュースで騒がれている一帯が、ニセコ町内にある。行ってみると、畑の真ん中にショベルカーなどの重機が8台停まっていた。土曜日だったせいか作業をしている様子はない。

何が起きているのだろうか。片山町長に聞くと、ニセコ町曽我地区で進む「国営緊急農地再編整備事業」と言われた。ニセコの農地は粘土質で、かつ大小の石が混じる石礫(せきれき)地が多く、長年農家を苦しめてきた。また、点在する小規模で不整形な農地が、農作業の効率を悪くしていた。

小さな区画を統合して大規模な農地にすること、傾斜地や不整形な農地であれば、傾斜を緩やかにしたり形を整えたりすることが、この整備事業の目的で、トラクターなどの農機具を入れやすくし、農家の生産性を高めているのだという。

「こうした整備で農家が稼げるようになり、うれしいことに20人を超える後継者が戻ってきてくれました。お嫁さんも来てくれるようになったんですよ」(片山町長)

この区画整備事業はあと2年続く。つまり、「ニセコ乱開発の現場」というのは全くの誤解だ。

ある住民は、ネットでこうした誤った情報を見るたびに、「またか……と思う」と話した。「最近のニセコエリアについては、いろんな人が情報収集しすぎていて、自分が知っていることの発信の競い合いになっているような気がします。それに感情論が加わって時に炎上するようなケースがあり、何にも解決しないまま、さらにまた次の火を焚きつけているみたいな感じです」。

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