世界シェア25%! 東京応化工業が半導体「EUVフォトレジスト」で独走する理由
半導体製造ではシリコンウエハーの上に酸化膜を形成し、その上にフォトレジストと呼ばれる化学薬剤を塗る。そして、その上から回路の設計図であるマスクを通して光を照射する。すると、光が当たったところは、フォトレジストが化学変化を起こし、設計図がウエハーに焼き付けられる。
日本企業はフォトレジストで圧倒的に強く、日系企業5社で世界シェア約9割を占める。その中でトップを走るのが東京応化工業なのだ。同社のフォトレジストは世界シェア25%で首位である。
一般に、より波長の短い光線ほど、ウエハーに微細な設計図を焼き付けることができる。現在、一番波長が短い光線がEUV(極端紫外線)だが、EUVを使用するにはEUV用のフォトレジストが必要だ。東京応化はEUVに対応するフォトレジストを得意としている。
シリコン・レールに乗って成長
東京応化工業は1936年に東京応化研究所として設立され、精製水酸化カリウムの製造を開始した。1955年にブラウン管テレビの製造に欠かせないケイ酸カリウムの国産化を実現。これが電機業界とのつながりを深めるきっかけになった。
その後、カラーテレビ用の感光材の開発に成功し、1968年には日本で初めて半導体用フォトレジストの製造販売に踏み切った。東京応化は半導体用フォトレジストの老舗なのだ。
東京応化がフォトレジストの生産を始めるまで、日本の半導体メーカーは全量を輸入に依存していた。そして、そのほとんどがアメリカ・コダック社製だった。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら