3メガが信託型ステーブルコイン発行に乗り出す深層、銀行の「預金流出」を防ぐスキームづくりがカギに
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは昨年11月、ステーブルコインの共同発行に向けた実証実験を始めると発表した。
米ドルに連動するステーブルコインはすでに数多く発行されているが、日本円ステーブルコインは新興フィンテック企業のJPYCが2025年10月に初めて発行を開始したばかり。3メガも発行に乗り出すことで、日本円ステーブルコインの普及に弾みがつく可能性がある。
共同発行の背景に預金流出懸念
「今までは(ステーブルコインについて)見て見ぬふりをしてきたんだけどね……」
そうつぶやくのは、あるメガバンク幹部。実は、預金を運用原資とする銀行にとって、ステーブルコインの利用拡大は脅威となる。というのも、既存の銀行顧客が預金をステーブルコインに替える場合、預金の流出につながるからだ。
国際通貨基金(IMF)が昨年12月に公表した「ステーブルコインを理解する」と題したレポートでも、「(ステーブルコインによる)小口預金の非仲介化は、銀行のコストを増加させ、安定した資金源を減少させる。結果的に、銀行の貸し出しに悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘している。
さらに、「銀行は預金金利を引き上げるか、あるいは代替の資金調達源を模索することで競争圧力に対処できるが、それは利益率の低下や資金調達のボラティリティーの上昇を招く可能性がある」との懸念も示している。銀行にとって、ステーブルコインは大きなリスクになりうると警鐘を鳴らしているのだ。
ある業界関係者は、「日本の銀行が今になってステーブルコインの取り組みを本格化しているのは、自分たちのエコシステムを守るための『防御的な参入』という意味合いが強い」と話す。
では、3メガによるステーブルコイン共同発行はどのようなスキームになっているのか。




















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