製造業における経済安全保障の重要性が増す中、とくに半導体はその影響を強く受けている。

(写真:jack / PIXTA)
企業がどこからどれだけ調達しているか。そしてどこに販売しているか。本特集では会社四季報記者が日頃の取材や産業連関表を基に、56業界のサプライチェーンを“見える化”した。
かつて「産業のコメ」といわれた半導体。現在では、地政学リスクの高まりを背景に、その位置づけは経済安全保障上の戦略物資にまで高まっている。
半導体をめぐる現在進行形の地政学を理解するうえで重要なのは、2つのポイントだ。まず1つ目が、先端半導体製造における台湾集中リスクの軽減だ。
先端領域でシェア6割
台湾リスクが顕在化したのは、コロナ禍に端を発するサプライチェーンの混乱がきっかけだ。自動車や家電をはじめとした民生機器に使われる半導体が世界的に不足した。
半導体業界では、1990年代以降に開発と製造を異なるメーカーが手がける水平分業が進んできた。この間、製造受託に徹して成長を遂げた台湾のTSMCの存在感は飛躍的に高まった。台湾は10ナノ未満の先端半導体の世界シェアで約6割を握っている(下図)。いかに世界の半導体供給をTSMCに頼っているのかを各国が痛感したのだ。
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