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高炉メーカーが起点 「鉄鋼業界」のエコシステム 日本製鉄、伊藤忠丸紅鉄鋼、東京製鉄…

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米中対立など地政学リスクの高まりを受けて、サプライチェーンを経済安全保障の観点から見直す動きが加速している。

高炉の外観
鉄鉱石を還元する高炉。二酸化炭素の排出量削減が課題だ(写真:編集部撮影)

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企業がどこからどれだけ調達しているか。そしてどこに販売しているか。本特集では会社四季報記者が日頃の取材や産業連関表を基に、56業界のサプライチェーンを“見える化”した。

建物や道路などインフラから、精密機器や調理器具まで、さまざまな形で生活を支える鉄。現代の生活に欠かせない鋼材のサプライチェーンは世界に広がっている。

鉄の原料は鉄鉱石だが、その鉄分は酸素と結び付いた酸化鉄として存在する。鉄を取り出すには、鉄鉱石を石炭由来の原料(コークスなど)と一緒に加熱することで酸素分を取り除く、「還元」という化学反応を起こさなくてはならない。鉄鉱石を還元する設備が高炉で、国内では日本製鉄JFEホールディングス(HD)神戸製鋼所が保有する。

大量の二酸化炭素が放出

製鉄に欠かせない高炉だが、還元反応では石炭の炭素と鉄鉱石の酸素が結び付くため、鉄1トンの製造につき約2トンと大量の二酸化炭素が放出される。環境負荷の低減は高炉メーカーの課題で、石炭の代わりに水素を用いるなど新しい還元方法が模索されている。

鉄鉱石や石炭を高炉メーカーに供給するのが資源メジャーだ。鉄鉱石の主要な産出国はブラジルとオーストラリアで、日本はこれらの国から原料を輸入している。鉱山や炭鉱から資源を掘り出す資源開発では資源メジャーが影響力を持つが、国内からは三菱商事などの総合商社も参加している。

高炉メーカーが造った鋼材は、建設会社や自動車・電機・産機メーカー、造船会社といった需要家の手に渡るが、その鋼材取引を仲介するのが鉄鋼商社だ。

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