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AIインフラ「75兆円受注」オラクルの勝算。爆増する需要をつかむ一方、財務リスクも見えてきた

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AIで爆発的に増える演算需要をつかむオラクルだが、財務リスクも見えてきた。本リポートでは、後発ながらAI時代に頭角を現した同社の勝算に迫る。

契約済み受注残は前年同期比359%増の4550億ドル(約68兆円)。受注残は今後数カ月で5000億ドル(75兆円)を超える可能性がある──。

米ソフトウェア大手、オラクルが今年9月に発表した第1四半期(2025年6~8月期)の決算は驚くべき内容だった。オラクルのクラウドサービス「OCI」は、後発ながら大規模AI(人工知能)モデルのトレーニング(訓練)向け用途で頭角を現した。オープンAIやメタをはじめ、ハイパースケーラーと呼ばれる大規模クラウド事業者がこぞってOCIの基盤を採用し、オラクルの受注残は見る間に膨れ上がっている。

今後5年の年間成長率は75%

オラクルはオープンAIから、今後5年で3000億ドルの契約を獲得したと報じられている。今年7月には、テキサス州アビリーンで第1期の建設が進むAIインフラプロジェクト「スターゲート」において、両社が4.5ギガワット(GW)のデータセンター容量を追加開発することで合意。ソフトバンクグループとともに、10GWのAIインフラに5000億ドル超を投じるスターゲート計画において、オラクルは重要プレーヤーだ(1GWは原子力発電所や大規模石炭火力発電所1基に相当)。

相次ぐ大規模な受注により、今26年度OCIの売上高は前期比80%増の180億ドル(2.7兆円)になると会社は予想する。その後は年間平均75%の成長を続け、30年度に1660億ドル(約25兆円)を見込む。

冒頭の契約済み受注残は、さらにその先を見据えたものであり、会社はOCIの収益成長に対して確固たる自信を示している。

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