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株価が沸騰!「AI銘柄」に化けたオラクルの強み/トランプ肝煎り「スターゲート計画」でも中核に/4000億ドル超の受注残でバブル懸念を払拭

今年のイベントテーマは「AI Changes Everything(AIがすべてを変える)」。各種データベース製品にはAIの文字を一斉につけるなど、AI一点突破の姿勢が目立った(写真:記者撮影)
クラウドサービスでは後発ながら、大規模AI(人工知能)モデルのトレーニング向け用途で頭角を現したソフトウェア大手のオラクル。AI関連の顧客からの受注が絶好調で、9月上旬には決算発表後に株価は33年ぶりに最高の上昇幅を更新した。
オラクルのクラウド「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」は、アメリカのトランプ政権が支援する5000億ドル(約75兆円)規模のAIインフラ事業「スターゲート計画」でも、技術面で中核的な役割を果たす。
とどまることを知らないAI開発競争において、これからどのような手を打とうとしているのか。10月13~16日にかけてラスベガスで行われた年次イベント「オラクルAIワールド」で、AIインフラ・プラットフォームを管掌する幹部に話を聞いた。
――オラクルのクラウドは、AIモデルのトレーニングなどを支えるスーパーコンピューターと、独自のネットワーク技術に特徴があります。昨年9月に発表したスーパーコンピューター「OCIゼタスケール」は今回、「OCIゼタスケール10」として新たに発表されましたが、その意味合いとは?
クラウド上で業界最大級のAIスーパーコンピューターである「OCIゼタスケール10」は、数十万基のNVIDIA GPUを複数のデータセンターの間で接続し、(理論上は現在の最速スパコンの数千倍~1万倍以上となる)最大16ゼタフロップスのピーク性能を発揮する。
AIモデルのトレーニングでは、GPUそのものの性能だけでなく、それらを結びつけるネットワークの性能と安定性がプロジェクト全体の成否を左右する。オラクル独自の超低レイテンシー(遅延)・ネットワーキング技術をNVIDIAのAIインフラストラクチャーと緊密に連携させることで、前例のない規模とパフォーマンスが実現できる。
このインフラは、オラクルとオープンAIがテキサス州アビリーンで進めているスターゲート計画のフラッグシップとなるスーパーコンピューターの基盤構造だ。
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