今年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)が近づいてきた(12月9〜10日)。前回FOMC前の本連載では、政府閉鎖のため雇用統計などが予定どおり公表されず、重要データなしで政策判断を迫られたことから、「無灯火で夜間飛行するFRB(米連邦準備制度理事会)」と表現したが、政府閉鎖が解除になった今でも影響は続いている。
FOMCの無灯火飛行は2回連続
雇用統計は、11月20日に9月分の雇用統計(10月3日に公表されるはずだったもの)が公表された。本来は今回のFOMC前の12月5日に11月分のデータが公表されるはずだったのだが、10〜11月分のデータがまとめて12月16日に公表される予定だ(しかも、10月分は部分発表で失業率などの公表はない)。そのため、今回のFOMCに間に合わない。
結局、今回のFOMCでは9月分のデータが最新ということになり、さすがに足元の雇用情勢を把握するデータとして古すぎる。
もう1つの重要指標である消費者物価指数(CPI)も9月分が10月24日に発表になった(年金額の算出のため公表必須だったとされる)。次回の公表は12月18日の予定だ。これも間に合わず、今回のFOMCも無灯火飛行が続くことになる。
FRBの2つの使命(dual mandate)である「雇用」と「物価」はともに評価・判断が難しい微妙な段階にある。
まず、「雇用」については、9月の失業率が4.4%と前月から0.1ポイントの悪化となった。8月の雇用統計では失業率は4.3%と前月比0.1ポイントの小幅悪化だったものの、これまで堅調だった求人数が減少し、求職者数とともに冴えなかったことで、雇用環境悪化への警戒感が高まった。
求人数(需要)が減ると失業率は大きく悪化してもおかしくないが、求職者数(供給)も移民対策の強化などで減っているため、失業率はほぼ横ばいという格好だった。
9月の雇用統計は、労働参加率(供給)が改善し、雇用者数も市場予想比上振れしたため、8月に比べると警戒感は高まらなかったが、それでも失業率がじりじりと上がっていることは気になる。





















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