ジム・ロジャーズ「トランプ関税発動で自由で公正なグローバル経済体制は完全に崩れ、史上最長の上昇相場の終焉が迫っている」

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世界的な投資家のジム・ロジャーズ氏は「史上最長の上昇相場の終わり」について警告する(写真:Luxpho〈Takao Hara〉)

シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。アメリカの「トランプ関税」が世界を揺るがしています。それだけでなく、ドナルド・トランプ大統領は独立的な立場を保証されているはずのFRB(連邦準備制度理事会)に対して圧力をかけたり、雇用統計に不正操作があったと決めつけ、労働省の労働統計局長も解任してしまいました。

さまざまな政治介入で、「このままアメリカに投資をしても大丈夫なのか」と、世界中で大きな不安が広がっています。

「自由で公正な貿易」を維持できなくなったアメリカ

こうしたなか、ジム・ロジャーズ著『世界大激変:混乱する世界をどう読むか』(東洋経済新報社)を刊行しましたが、ロジャーズ氏の「トランプ関税発動後の世界」への見解や、今後の投資法などについて、4回にわたってお伝えしたいと思います。

『世界大激変: 混乱する世界をどう読むか』(ジム・ロジャーズ 著/花輪陽子/アレックス・南レッドヘッド監修・翻訳)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ロジャーズ氏は「トランプ関税は、戦後の枠組みを大きく変える転機となる。1990年代以降、世界を大きく成長させてきたグローバル経済体制は終わりを迎えることになる」と断言、次のように解説します。

「第2次世界大戦後、アメリカは『自由で公正な貿易』を大原則に掲げ、そのことが世界経済を成長させてきた。強いアメリカの経済が自由貿易体制を支え、アメリカの爆発的な消費によって世界経済に恩恵を与えるという国際経済システムが確立された。この恩恵をもっとも受けたのが戦後の日本であり、最近では中国が『世界の工場』と言われるまでに成長した」

「しかし、アメリカの債務が膨らみ、国民の多くが、もはや『自由で公正な貿易体制を自国の負担で維持することは持続的でない』と考えるようになった(中略)。そして、彼らの『救世主』と期待されて登場したのがトランプで、彼はその期待に応えるべく自由貿易から保護貿易へと政策を転換した」

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