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「お辞儀する日本」対「ポケットに手の中国」外交会談で印象づけられた"主従の構図"に学ぶべきこと

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  • 清水 建二 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役
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金井局長の「お辞儀をしているような」姿勢については、「通訳の発言に耳を傾けているからだ」という解釈が示されています。実際、通訳が話しているあいだ、そして話し終えたタイミングで通訳の方に顔を向け、アイコンタクトをとり、リアクションをしている様子が確認できます。この点で、その解釈は一定程度妥当だと言えます。

しかし、金井局長の表情に目を向けると、別の読みも可能になります。金井局長は、会場を出て車に乗り込むまでのあいだ、終始、眉間にしわを寄せ、唇をきつく一文字に結んでいます。

これらの表情は、強い感情を抑え込んでいるか、大きな認知的負担、すなわち「頭をフル回転させている」状態で生じることが多いシグナル・サインです。

中国のほうが余裕がある状況か?

したがって、単に「通訳に耳を傾けているから」頭を下げているだけではなく、会談内容を深刻に受け止め、事態の重さと、問題解決に向けた取り組みが今も続いているという意識が反映されていると推測できます。

一方の劉局長は、冒頭に口角を軽く引き上げた表情を一度見せた後は、ほぼ終始、目立った表情変化のない無表情で通しています。「中国側は怒っている」という報道もありますが、映像上、劉局長から典型的な怒りの表情は確認できません。

むしろ、「社会的微笑」と呼ばれる礼儀的な笑顔をわざわざ見せる必要も感じていない、という心理状態と見るほうが自然でしょう。そうした態度をとれる程度には、中国側に余裕があると推測できます。

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【日本外交に欠ける「非言語戦略」という視点】

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