〈19年ぶり社長交代〉コーセー新社長が創業家以外から初選出も「中継ぎ」との声、小林一族が要職占める実態、創業家4代目は会長CEOに就任し舵取り
化粧品大手・コーセーがおよそ19年ぶりの社長交代を発表した。創業家以外からの社長選出は、1946年の創業以来初めてだ。
新社長に就任するのは澁澤宏一・常務取締役(65)。1984年に新卒で入社して以来、営業やマーケティング部門を経験。中国法人のトップを務めるなど海外での経験も有する。
一方、現社長の小林一俊氏(63)は、創業者・小林孝三郎氏の孫にあたる4代目。2007年から約19年にわたりトップを務めてきたが、今後は代表権を持ったまま会長グループCEO(最高経営責任者)に就任。澁澤氏は、26年3月27日付で持ち株会社の代表取締役社長グループCOO(最高執行責任者)に昇格し、”二頭体制”に移行する。
「小林イズム、こんな血が流れている」
小林氏は4、5年前から後継者について考え始めたという。白羽の矢が立った澁澤氏は、マーケティング部員時代の部長が小林氏であり、直属の上司・部下だった間柄だ。
10月31日の記者会見で澁澤氏は「大変光栄であると同時に身の引き締まる思い。小林CEOと両輪となって創業の精神を継承しながら、恐れずに新たなチャレンジをしてまいりたい」と意気込んだ。
創業家以外で初の社長就任について問われた澁澤氏は、「小林家とは姻戚関係ないんですけれども」と笑いつつも、「創業80年のうち40年以上働いておりますので、半分ぐらいはコーセー、小林イズム、こんな血が流れているような気がしております」と述べ、創業家との一体感を強調した。
現役社員からは「(創業家以外からの社長選任は)衝撃的だった。今までは一族経営で安泰という雰囲気だったが、これからは派閥争いなども起こるのかもしれない」と動揺の声も漏れる。
しかし、複数の業界関係者の見方は冷静だ。「澁澤氏は次世代への”中継ぎ”。今後も小林家が経営を担っていくのではないか」という声が支配的だ。




















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