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M&Aの詐欺集団が跋扈する「経営者保証」という罠 仲介会社の強引営業がトラブル生み出す側面も

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2021年 10月に設立されたM&A仲介協会の設立会見
売り手企業がM&Aの詐欺被害に遭っても、悪質な買い手を紹介したM&A仲介会社の法的責任を追及することは難しい(写真は2021年10月に設立されたM&A仲介協会の設立会見、風間仁一郎撮影)

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中小企業のM&Aをめぐるトラブルが後を絶たない。中でも最近目立つのが「経営者保証」に関するものだ。

経営者保証とは、会社が金融機関から資金を借り入れる際、経営者個人が連帯保証人になることだ。会社の資金繰りが行き詰まり金融機関への返済ができなくなれば、経営者個人が返済義務を負う。

M&Aによって会社を売却し、経営者が変更されれば、連帯保証も旧経営者から新経営者に引き継がれるべきだ。しかし、ここにM&Aの詐欺集団が付け入る「隙」が存在している。

変更されない経営者保証

「(会社の売却から)2カ月以内に連帯保証人が代わる契約だったのに、1年以上が経った今も連帯保証人にされたままだ」――。

そう話すのは、洋菓子店を経営していたK氏。ルシアンホールディングス(HD)による詐欺同様のM&Aで被害を受けた1人だ。

K氏は、日本M&AセンターHDのグループ会社で、M&Aのマッチングプラットフォームを運営するバトンズの仲介により昨年4月、ルシアンHDと株式譲渡契約を締結した。しかし、約束していた2カ月が経っても連帯保証人の変更手続きがなされなかった。

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