中小企業のM&Aをめぐるトラブルが後を絶たない。中でも最近目立つのが「経営者保証」に関するものだ。
経営者保証とは、会社が金融機関から資金を借り入れる際、経営者個人が連帯保証人になることだ。会社の資金繰りが行き詰まり金融機関への返済ができなくなれば、経営者個人が返済義務を負う。
M&Aによって会社を売却し、経営者が変更されれば、連帯保証も旧経営者から新経営者に引き継がれるべきだ。しかし、ここにM&Aの詐欺集団が付け入る「隙」が存在している。
変更されない経営者保証
「(会社の売却から)2カ月以内に連帯保証人が代わる契約だったのに、1年以上が経った今も連帯保証人にされたままだ」――。
そう話すのは、洋菓子店を経営していたK氏。ルシアンホールディングス(HD)による詐欺同様のM&Aで被害を受けた1人だ。
K氏は、日本M&AセンターHDのグループ会社で、M&Aのマッチングプラットフォームを運営するバトンズの仲介により昨年4月、ルシアンHDと株式譲渡契約を締結した。しかし、約束していた2カ月が経っても連帯保証人の変更手続きがなされなかった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら