「内定、おめでとうございます!」
10月1日、東京都港区のホテルオークラ。大宴会場には緊張した面持ちの学生がずらりと並んでいた。みずほフィナンシャルグループ(FG)が開いた主要グループ会社の内定式だ(上写真)。
会場には約1000人の内定者が集結。冒頭で人見誠執行役常務グループCHRO(人事戦略・人的資本経営責任者)が祝辞を述べた後、内定承諾の手続きが進められた。来年4月に新卒として入社予定の男性は、「お客様から頼られる銀行員になりたい」と意気込んだ。
3メガバンクが新卒採用を強化している。来年4月入社予定の内定者数は、三菱UFJ銀行が640人、三井住友銀行が676人、みずほFGが1034人の合計2350人。前年から増加した。
業績と連動する形で採用姿勢は変化
メガバンクが大量採用時代を迎えるのは、これが初めてではない。直近では10〜15年前にも、大量採用時代があった。
2008年のリーマンショックを受けた採用抑制を経て、12年入社から採用人数が復調。15年や16年入社の社員は3行合わせて5000人超に達した。
しかしその後はマイナス金利の導入によって収益環境が悪化し、新卒採用は冬の時代を迎える。コロナ禍以降は1500人をも下回った。そして足元では金利が復活し銀行経営が上向いたことで、再び採用増加に舵を切っている。業績と連動する形で、メガバンクの採用姿勢は変化してきたのだ。
この10年間で大きく変わったのは、メガバンクに入社する学生像も同様だ。ここからは採用にまつわるデータも用いつつ、就職戦線にどのような異変が起きているかを見ていこう。
採用をめぐる栄枯盛衰を象徴するのは、何といっても就職人気ランキングだろう。もともとメガバンクは人気企業の筆頭で、1位の座を争うことも珍しくなかった。ところが採用抑制と軌を一にするように、就活生からの人気も下降していった。



















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