――来年1月から新人事制度「ステージ」がスタートします。人事制度改定の背景や経緯を教えてください。
実は、今回の制度変更より前の2020年に人事制度のマイナーチェンジを実施している。これは、年次による昇進の条件を緩和したり、定年を60歳から65歳に延長したりといったものだった。しかし、大きく2つの課題を積み残していた。
積み残していた2つの課題
その1つが専門人材への対応だ。
これまでの銀行の人事制度は、ピラミッド型でヒエラルキー、つまり序列がしっかりしていた。そのため銀行に入ったら、支店長や役員といったマネジメント職を目指すのが王道とされてきた。そうしたマネジメント重視の制度では、さまざまな部署を経験して幅広い業務を学んでいくゼネラリストタイプが求められてきた。
だが近年、銀行ビジネスの専門化や高度化が進んだことでゼネラリストタイプだけでは対応できず、専門性を持った人材、スペシャリストの重要度が増してきた。そのため外部からそうしたスペシャリストを連れてこなければならない、つまり中途採用を増やす必要性が出てきた。
もう1つが多様化への対応だ。
われわれは、決められた目標に向かってチーム一丸となって戦い、達成していくというDNAが他のメガバンクよりも強い。しかし価値観が多様化していく中で、そうしたDNAを大切にしながらも多様な価値観を受け入れられる会社にしなければならないという思いがあった。
今回の新人事制度である「ステージ」は、こうした2つの課題を解決しようというものだ。
――現場からも実際にそうした課題を指摘する声が上がっていたのでしょうか。
中途採用などで入社してきた専門人材からは実際、「ゼネラリストタイプが重用され、自分たちが割を食っているのではないか」といった声が上がっていた。



















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