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メガバンクが進める"脱年功"の衝撃。実力で「出世」と「昇給」を勝ち取る時代に突入

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階段状に並ぶビジネスパーソンのミニチュア
(写真:gemini / PIXTA)

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マイナス金利政策が解除され、好業績に沸く銀行界。行員もさぞ浮かれていると思いきや、行員たちの顔はさえない。人事制度改革によって銀行の常識が覆り、将来が見通しづらくなっているからだ。本特集では銀行員人生の明と暗に迫った。

ゼネラリストになることを前提に新卒で入行し、2〜3年ごとの異動や転勤を繰り返しながら出世の順番を待つ──。長らく年功序列に支えられてきたメガバンクの「出世」と「昇給」の常識が、劇的に変わり始めた。

ガチンコの“いす取り合戦”

背景にあるのは、人材の価値を最大限に引き出すことで企業価値の向上を図る人的資本経営だ。入行年次を基準に昇進を待つ時代は終わり、全社員が職務の価値や役割の重さ、つまり「どのいすに座るか」で報酬が決まる。自らのスキルを磨き、限られたポストを実力で勝ち取るガチンコの“いす取り合戦”が、メガバンクの現場で起きているのだ。

「最上位の職階に昇格しても給与が変わらない行員が続出している」。こう語るのは、2024年7月に新人事制度「かなで」へ移行したみずほ銀行の幹部だ。

ほかのメガバンク同様、これまでは年功色の強い職階に応じた「資格給」が給与の大部分を占めてきた。職階には昇格年次の目安があり、一度上がると下がることはない。たとえ仕事内容が同じでも、部店長の推薦などを得て最上位の職階(管理監督者=非組合員)に上がれば大幅に昇給し、その後も高い給与が保証された。

それが24年7月、グループ共通の新たな人事制度が導入されて一変。3段階の職階は残されたが、それはあくまでポストに就くための“権利”でしかない。下図のとおり、すべてのポスト(いす)に割り当てられた13段階の「MG(みずほグレード)」によって給与が決まる仕組みに改められた。

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