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〈銀行員匿名座談会〉「俺たちに居場所はあるか」。出向という花道を失い、問われる覚悟

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壮年ビジネスマン2人のイラスト
(写真:PIXTA)

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マイナス金利政策が解除され、好業績に沸く銀行界。行員もさぞ浮かれていると思いきや、行員たちの顔はさえない。人事制度改革によって銀行の常識が覆り、将来が見通しづらくなっているからだ。本特集では銀行員人生の明と暗に迫った。

52歳で出向、55歳で転籍し、セカンドキャリアを歩む──。銀行員人生晩年のキャリアパスが足元で変貌を遂げている。銀行に残る覚悟を迫られている行員は何を思い、どう働き続けようとしているのか。岐路に立つ2人の行員が、揺れる胸中を語った。

[参加者PROFILE]
Aさん
(50代前半)副部長
Bさん(40代後半)副支店長

プライドの整理が必要に

A氏 正直、ここまで人事制度が変わるとは思っていなかったよ。当行の場合、関連企業に出たら給与がおおむね4割減り、取引先企業だと2割減る。取引先は仕事が忙しい分だけ給与が高く、関連企業だとのんびり働けるが給与も低い。

ただ、いずれも管理職の肩書で、それなりに誇りを持って働けた。それが今、人手不足で「出向枠」が激減。ポストオフ後も担当者として銀行に残るセカンドキャリアなんて想像していなかったよ。

B氏 私も40代後半になり、次のステージを考える「たそがれ研修」を受けたばかりなんですが、「専任行員区分がなくなり、年齢による給与の一律カットもなくなるので、引き続き銀行で活躍してほしい」との説明を受けました。とはいえ、現実はポストオフされて担当に戻る。給与が下がるばかりか、若い上司の下で働くことになるから、残るにしてもプライドの整理が必要になりそうです。

A氏 確かに、担当に戻って銀行で働き続けるのは愉快なことではないよな。新しい人事制度では年齢にかかわらず、職務や役割に基づくグレードで給与が決まるから、ポストオフ後も頑張り続けないと、どんどん給与が下がってしまう。それでも、銀行が紹介する「求人公募」に手を挙げて転籍するよりも、銀行に残ったほうが「得策」だと思い始めているんだ。

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