持続的な株価上昇には純粋な保守回帰が必要。高市政権を本格保守政権と市場は歓迎するが、「修正型保守政治」では株式市場からは評価されない。
高市政権を本格保守政権と市場は歓迎。だが、「修正型保守政治」では株式市場からの評価は得られない。
高市早苗政権がスタートした。高市首相は政治的には自民党内でも最右派に属する政治家といわれており、やはり党内右派に依拠した本格的な保守政権だった安倍晋三政権を継ぐ政権と見なされている。連立相手がリベラル政党の公明党から日本維新の会に変わり、安倍政権以上に右派・保守色の強い政権といえるだろう。
市場では、安倍政権以来5年ぶりの本格的な右派・保守政権の誕生を歓迎し、日経平均株価は5万円台まで急騰した。アメリカでは伝統的に共和党政権(=保守)は株式市場にポジティブ、民主党政権(=リベラル)はネガティブという市場の常識があり、類似した反応が日本でも生じたといえる。しかし実際に大きかったのは、第2次安倍政権開始後3年間で日経平均株価が2倍以上に上昇したという過去の「履歴」の記憶だ。
「保守政権=株高」という認識
伝統的な政治学の区分に基づけば、保守政治の政策の特徴は、「対外強硬」「小さな政府」「財政均衡」「格差容認」「規制緩和」「自由貿易推進」である。それに対してリベラル政治の政策特徴は、「国際協調」「大きな政府」「財政赤字容認」「格差是正」「規制強化」「保護主義」だろう。この区分が最も典型的に当てはまるのはアメリカ政治だが、アメリカの保守政権では、これに「中立的な金融政策」が加わる。
「保守政権=株高」や「リベラル政権=株安」との認識は、従来、財政政策よりも「規制」関連の論点が大きかった。保守政治の特徴のうち「格差容認」「規制緩和」「自由貿易」は、直接的に株式市場にはプラスである。逆に、リベラル政治は「規制」強化の方向に動きやすく、企業活動を停滞させるイメージが持たれる。



















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