受験偏差値で全国トップ・灘高校の卒業生が「神戸に残らない問題」に凝縮されている"地方都市の危機"の本質

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「東京の中の地方」は地方創生にも貢献しうる
前編で紹介した「東京の中の地方」が未婚化の解消、ひいては少子化対策と同等、いや、それ以上に貢献できるのが地方創生だ。
在京期間が長い地方出身者が東京で得た多様な知見・人脈を使い、地方独自の「らしさ」の付加価値を高めることができる。地方都市の地方創生に関する政策を見ていると、その多くはいまだに観光依存の現状から脱し切れていない。違う方向にも目を向けるべきではないか。
この点では、アメリカ・テキサス州オースティンの事例が参考になる。この片田舎の州政府と大学の街が、30数年でハイテク・クラスターに変貌したのだ。その背景には、住民のイニシアティブによる不屈かつ持続的な挑戦、企業家と支援者たちのダイナミックなネットワーク、保守的な大学の変化、などがあった(福嶋路・東北大学大学院教授、日本ベンチャー学会会長の著書『ハイテク・クラスターの形成とローカル・イニシアティブ―テキサス州オースティンの奇跡はなぜ起こったのか』<2013、東北大学出版会>に詳しく書かれている)。
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