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これまでの「地方創生」に根本的に欠けている視点 "地方に強い石破政権"の本領発揮なるか

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地方も国も紋切り型のイメージに凝り固まっている。真の地方創生を進めるために必要な方策とは――。

「新しい地方経済・生活環境創生本部」の看板を設置する石破茂首相(左)と伊東良孝地方創生担当相 (写真:時事)

「隗より始めよ」。大きなことをなすには身近なことから、という意味に加えて、自分が提案したことは自ら行動を起こす、という意味がある。石破茂首相は2014年当時、地方創生担当相であった。その際に「まち・ひと・しごと創生法」が施行されたこともあり、石破氏には地方に強いというイメージがついている。

首相就任後は苦難の連続であったが、地方創生を本当の意味で花開かせ、深く根付かせることで石破政権の本領発揮となるのではないか。2025年の年初に当たり、大いに期待するところである。

現状の地方創生が抱える問題点

筆者は2024年、福井県に2度行く機会があった。若狭町と福井市である。

若狭にある熊川宿は若者たちが移住して盛り上げていたし、三方五湖の1つ、水月湖の年縞は過去7万年分の堆積物がしま模様を形成し、それが年代測定の世界標準の物差しになっていることを恥ずかしながら初めて知った。

福井市は福井駅前で恐竜のオブジェが観光客を迎え、少し足を延ばせば永平寺があり、日本酒「黒龍」もカニもあるという恵まれた地方。本当に魅力的な土地柄だと十分に思い知った。

にもかかわらず、観光庁によるインバウンド訪問者数ランキングで見ると、福井県は島根県に次いで下から2番目。北陸新幹線の延伸で変化の途上だというが、真の実力対比の評価は低い。なぜか。

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