高市首相の「働いて」を無にする《側近たちの暴走》、政権に漂い始めた第1次安倍"短命"政権と同じ臭い

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
高市首相
“身内”からの問題が相次ぐ高市政権。その状況は短命に終わった第1次安倍政権と似た“臭い”を漂わせ始めている(写真:ブルームバーグ)

「佐藤啓副長官の今後のあり方について、いろいろとお願いしたい」。臨時国会が閉会した翌々日の12月19日、参院の野党国会対策委員長会談に木原稔官房長官の姿があった。

高市内閣発足時に参議院担当の官房副長官に抜擢された佐藤副長官だが、2023年12月に派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で306万円の「記載漏れ」が発覚。外務副大臣を辞任した経緯がある。

野党にすれば、佐藤官房副長官は「裏金議員」にほかならない。しかも、今年の参院選で非改選の佐藤官房副長官は、選挙の洗礼も受けていない。参議院の野党は佐藤官房副長官を拒否し、政府と参議院との連絡役は衆議院担当の尾崎正直官房副長官が代行した。佐藤官房副長官は代表質問が行われる本会議で、ひな壇に座ることすらかなわなかった。

11月7日には野党の間で佐藤官房副長官に対する問責決議案を検討する声も出た。また、11月26日には立憲民主党、国民民主党、公明党、参政党、共産党とれいわ新選組の6党が、佐藤官房副長官の「出禁」を解くには高市早苗首相か木原官房長官が直接説明に出向くといった追加対応が必要との意見で一致。結局、臨時国会では「出禁」のままで、結論は年明けに持ち越された。

政権幹部の「核保有発言」で広がる波紋

自民党総裁選挙で勝利したときに高市首相が述べた「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」は、25年の流行語大賞を受賞した。11月7日には午前3時に首相公邸に入り、初の衆議院予算委員会に備えて質問書の読み込みを行った。それほど頑張る高市首相だが、“身内”には残念な事態が相次いでいる。

木原官房長官が同席した19日の国対委員長会談では、立憲民主党の斎藤国対委員長から官邸幹部による核保有に関する発言や国光文乃外務副大臣の問題についての苦情も出た。

次ページ野党はもちろん、身内からも苦言
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事