連立政権の命運を握った党勢も今は昔、崖っぷちの「公明党」が結党61年目の夏に迎えた《大転機》の深層

政権交代の可否が問われる、今回の参議院選挙。報道各社の全国情勢調査では、与党の自民・公明両党の苦戦が際立ち、「過半数は微妙」との厳しい予測が並ぶ。これを受けて、与野党各党の党首・最高幹部たちは「参院選後の政局激動」を念頭に、それぞれが生き残りを懸けた対応を模索し始めている。
そうした中で、多くの政界関係者が注目しているのが、公明党の動向だ。巨大宗教法人である創価学会を支持母体とし、1964年に国政政党としてスタートした同党。結党61年目に迎えた今回の参院選では、ここ数年の党勢低迷によって大幅な議席減が必至とされ、政界で「連立組み替え論」が浮上していることも相まって、重大な岐路に差しかかっている。
参院選後の政局のカギを握る?
そもそも、今回の参院選で自公が過半数割れとなれば、8月1日に召集予定の臨時国会における首相指名選挙の結果次第では、政権交代が現実となる。その場合、自公両党は2009年9月の旧民主党政権誕生以来の野党転落となり、「トランプ関税」をめぐる日米交渉も「宙に浮くという非常事態」(官邸筋)に陥る。
こうした状況について、野党内からは「今回は国益優先で、現政権による日米交渉継続」(閣僚経験者)を求める声も漏れてくる。その背景には「首相指名での『野党共闘』は困難」(日本維新の会幹部)との現実的な判断があるからだ。
ただ、自公の過半数割れで石破茂首相が退陣を表明すれば、自民党は「短期決戦」の総裁選を実施する構え。「誰が後継者になるかで、首相指名選挙の展開も変わる」(政治ジャーナリスト)ことも否定できない。だからこそ、政界関係者の間では「衆参で40前後の議席を持つ公明党が、参院選後の政権づくりのカギを握る」との指摘が相次ぐ。
しかし選挙結果次第では、同党の斉藤鉄夫代表が選挙敗北の責任をとって辞任を表明することも想定される。そのため、「『参院選後』は公明党も含めて、各党が出たとこ勝負の遭遇戦を繰り広げる」(前出の政治ジャーナリスト)可能性もある。
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